過去にトライアスロン、現在はマラソンを中心に活動されているOさん。
週に2回は確実にトレーニングしに来られ、高い身体能力を維持しておられます。
トライアスロン、マラソンに限らず、アスリートの練習による身体的疲労はとても大きなものです。
特にそのダメージは肩甲骨・股関節といった身体の根幹部に集中します。
疲労が蓄積し続けると肩甲骨・股関節の動きに制限がかかり、この代償を他の部位が受け止めだします。
スポーツの動作において、下腿部や膝関節周囲、前腕や上腕に疲労感が強く発生する場合は肩甲骨・股関節の動作に制限がかかっている可能性が高いです。
大きくて強い筋肉が使えないので、小さくて脆弱な筋肉が頑張らざる負えない状態が発生しているのです。
これでは上手く身体を動かせなくて当然ですし、このような状態で練習を重ね続けることが痛みを誘発する主原因だと考えられます。
日々のトレーニングで肩甲骨・股関節を最大限に動かし、その使い方を身体に覚え込ませる必要があります。
肩甲骨・股関節が常にリフレッシュされた状態を保つことが出来れば、動作制限がかかりにくく、負担の少ない動きで練習量をこなすことが出来るようになるでしょう。
写真左のレッグプレスでは上体を捻ることで負荷を股関節にしっかり乗せることができ、他関節の筋肉群(膝関節・大腿四頭筋群等)が必要以上に出力せずに済みます。実際の動作とマッチした正しい動き作りのトレーニングと言えるでしょう。
写真右のスプレッドでは肩甲骨の内・外転を股関節の動きによってコントロールします。このトレーニングからはイメージがつきにくいかもしれませんが、身体活動における下半身と上半身の連動をトレーニングによって再現しているのです。
このようにアスリートのパフォーマンス向上や動きやすい快適な身体を構築するためのトレーニングは実動作(求められる動作)を前提に考えられなければいけません。
動作を無視して闇雲に負荷をかけ、トレーニングの目的が「筋肉をつけること」になってしまっては身体能力の向上は望めないのです。
Oさんはトレーニングを継続して生涯現役でまだまだ走り続けてくれることでしょう。
そのためにも正しいトレーニングと動き作りは必要不可欠なのです。